精神科医が肩肘張らずにブログを書いてみた

精神科が多くの人に関心をもってもらえますように。

所信表明 ~ここでやりたいこと~

はてなブログでは毎週「お題」があるようで、今週のお題は「自己紹介」とのこと。

 

精神科医を目指すきっかけの一つは「とある漫画」だったのですが、同世代の人に話しても記憶にないほどマニアックな漫画なので、ブログにある程度の記事がたまってから書こうと思っています。この記事では、新しい場所で目指すところをお話ししようと思います。

 

私は精神科医になってから、大学病院や精神科を中心とした民間病院を中心に仕事をしてきました。大学院での研究期間を除けば、ずっと臨床。アカデミックというより現場主義なタイプです。

新しい常勤先では、ご高齢の方を中心とした在宅診療と、幅広い年齢層を対象にした精神科の一般外来を担当します。前者、後者ともに現場で仕事をしてくるなかで抱いている思いがあります。

 

前者については、ご高齢になった方々の治療に、可能な限り最期まで携わりたいという思い。今まで勤務をしてきた医療機関では、身体の具合で通院が難しくなった場合、在宅診療のクリニックにお願いをしていました。この方法そのものは一般的と思いますが、在宅診療のクリニックは、内科や外科など身体の治療をしてきた医師が担当をすることが多いんです。一方、脳、心に作用する向精神薬の調整は、けっこう専門的な知識や経験が必要なんです。で、実際に移行期やそのあとしばらく経ってから、患者さんにトラブルが起きることがありました。もちろん、精神科医が薬剤調整をしたとしても、ズバッと決められるわけではないのだけれど、安全性の確保や、うまくいかない時の先のイメージについては、専門でやっている方が強みがあるのかな…と。

 

一方で精神科以外の領域、身体管理については精神科医は弱いのも実情。病院なら内科の先生に診察をお願いして…ということが簡単にできるのですが、精神科だけのクリニックで在宅医療を行うと、身体の治療は別のクリニックに行ってもらい連携をすることになります。これが悪い方法というわけではないのですが、もっと密に連携をできる方法はないだろうか、という思いがありました。

そこで、身体管理を主に在宅診療を行ってきたこのクリニックに、精神科医の私が入ったら?と考えるようになりました。そして、非常勤医として働いていくなかで、身体と精神領域の一元的な在宅診療はかなり意味がありそうだ、と確信をしていきました。

 

ということで、身体が不自由となり通院が困難となった方々の精神科医療を支える、ということが、このクリニックでやりたいことのひとつです。(長い目では、精神科領域の問題で通院が難しい患者さんも診れたら…とは思うけれど、マンパワー的に当面は難しいかな。)

 

後者の一般外来については、敷居の低い精神科医療の場をつくりたいなぁと。

前に勤めていた地域では、保健センターでの相談業務や市民講座の講師をしていて、これは今後も続けるし、これから新しい地域でもやっていければと思っているのだけれど、精神科領域の悩みって、ご本人や家族が中で抱えてしまっている事が多いんですよね。そういうときに、いきなり治療をどうするかということだけでなく、気軽に相談にのれる場所をつくるということは、精神科医にとって大切な仕事なのではと思っています。

そのため、ここは在宅医療のクリニックだったのですが、家族面談、地域のスタッフとの話し合いもできるような、少し広めの診察室をつくってもらいます。前記事のように、間もなく工事。連休明けには出来上がるかな。

 

さて、少しずつですが、この地域での仕事をしていきましょう。 

以上、所信表明でした。