今回はアニメのお話。
幼児向けキャラクターとして欠かせない存在です。
弱いものを助け、悪者(バイキンマン)にはアンパンチ。
ヒーローものに多い、善が悪を退治する構図。
小さい子供に、とてもわかりやすいストーリーとなっています。
一方、ガンダムは心理発達の視点でとても意味の深いアニメと考えています。
それは「正義」が複数あるということです。
ガンダムは、連邦国と独立を目指すジオン公国との戦争。どちらにも正義があり、自分たちの正義のために命をかけた戦いが繰り広げられます。
今回のテーマ「正義とは?」
アンパンマンに一番近い存在は、今でいえばアメリカのトランプ大統領でしょう。
トランプ大統領には違和感を感じる人も多いと思いますが、アンパンマンについてはどうでしょうか?これこそが人間の心のピットフォールと考えています。
私たちは、偶然に今の日本に生きていて、人殺しは絶対に間違っているという時代を生きています。しかし、歴史上の遠くない過去は、正義のために敵を殺した人が英雄だったわけです。
正義とは、ある立場から見た主観です。このことはとても大切なこと。しかし、知らない人も多いし、知っていても見えなくなってしまう事が簡単に起きてしまいます。
複数の正義が存在することを理解し、その折り合いがつく現実を探せるかどうか。それができるかどうかが、人間に試され続けている事なのだと思っています。
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ちなみに、精神科医のブログとしてこのことを書いたのは、治療上もこの考えがとても大切となるためです。
自己愛に問題を抱えたパーソナリティの方や、相手の感情を読み取りにくい脳の問題を抱えた方と話をするときには、その人達の考えをまずはきちんと聞く事を意識し、その上で、他の考えをもっている人たちもいるということを理解してもらうように治療を行っています。
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「アンパンマンは暴力的すぎる」と異議を唱えるカレーパンマンがあらわれ、しかし、現実にはバイキンマンに困っているという状態が続いてしまう場合、どうしたらよいのか。
パン工場で夜な夜な話し合ったり、アンパンマンとバイキンマンが会談をしたりするナザーストーリーも、見てみたいものです。
まもなく平成最後の終戦記念日を迎える日本に、私なりの思いを綴った記事でした。
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(余談)
ガンダムで一番好きなシリーズはSEED。好き嫌いがわかれますが、登場人物の葛藤がとても感じられる作品です。
あと、ヱヴァンゲリヲンについては、私の所属する精神療法の勉強会で題材としたときに大変反響がありました。いつか書く予定です。