「絶対音感」という言葉をご存知でしょうか?どこかで何となく聞いたことがあるかもしれません。「絶対音感」は、音を聞いた時に、他に基準となる音がなくても音の高さを判別をできる能力です。
今回、このブログで記事にしたのは、てんかんや躁うつ病の治療に使う「カルバマゼピン」という薬が、この絶対音感に影響を与えやすいと言われているためです。
影響が出た場合は、普段よりも音程が低く感じてしまうようです。これは、絶対音感をもって音楽をやっている人にとっては、死活問題となります。しかし、この薬剤による絶対音感への影響は、医療関係者にもあまり知られていない現状があります。
私は、職業で音楽をやっている人には「カルバマゼピン」の処方は原則としてせず、趣味でやっている場合にも、この薬剤による音感への影響を説明したうえで薬剤の選択をしてもらっています。
そして、実はとても身近な薬でもこの問題は起こり得るのです。
カルバマゼピンに比べると稀なようですが、風邪薬などでも音感に影響がでるケースが報告されています。
基本的には使用を中止することにより回復をすると言われているので、もし音楽をやっている人で、何らかのお薬を飲んでいて音感に違和感を感じたときは、主治医や担当薬剤師にきちんと伝えて下さい。とりあってもらえなかったら、この記事でもいいし、ググればもっと詳しい話も出てくるので、それを印刷して持っていってください。
このブログの発信力は極めて小さいと思いますが、できるところから啓蒙活動でした。