精神科医が肩肘張らずにブログを書いてみた

精神科が多くの人に関心をもってもらえますように。

ヲタ活と精神科医 第一章? ~引きこもりの方々と~

前回の記事の続きです。

 

先日、引きこもりになっている人たち、引きこもりだった人たちのためのデイケアに招かれ、グループセッションに参加をしてきました。

初回という事で、自己紹介を兼ねて自分たちの趣味について、好きなように話をしてみることに。自分も、いつもデイケアで関わっているスタッフさんたちも、利用しているメンバーも、同じ感覚で話す時間。

 

きちんと自分の趣味の世界をもっているメンバーがとても多く、趣味のジャンルは違えど、活発なトークタイムとなりました。

終了後、スタッフより聴いた話では、いつもほとんど会話をしないようなメンバーも、今日は生き生きと参加をしていたとのことで、びっくりした部分もあったそうです。

 

前回の記事にも書きましたが、引きこもりとなっている人たちにとって、漫画だったり、アニメだったり、ゲームだったり、趣味ってとても大切にしている世界なんだと思うんです。そして、その先にはその子たちの「今の自分」というものがあるのだろう、と。

 

すぐに治療的な効果があるわけではないだろうけど、本人が大切にしてきているものを、安全を保障されている環境で他の人と共有していく、こういう作業はとても大切な意味をもつのではと考えています。

 

数か月後に第2回を企画していただけることになりました。ヲタク精神科医としての試みは続きます。

 

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さて、今回一番心掛けたことは何だったかというと「自分やスタッフとデイケアの利用者さんたちが、どれだけ同じ目線の高さになれるか」ということでした。だから、スタッフさんにも同じようにお話をしてもらうことがとても大切でした。(そして、これがかなり面白かった。)

趣味のジャンルや世代が違うことって、実は大きな問題ではないんですよね。

 

今回は小さな地域でのデイケアだったけれども、家庭内や学校など、様々なところで応用をできる考え方なのでは、と思っています。